40万円のバッグを作るのにディオールはいくら払っていたか…イタリア当局が搾取的な製造業者を捜査

ディオール

イタリア警察の捜査で、ディオールが搾取的なサプライヤーを使って高級バッグを作っていることが判明した。

Costfoto / Getty Images

  • イタリア当局が、LVMH傘下のディオールの高級ハンドバッグを製造しているサプライヤーを捜査した。
  • 捜査の結果、ディオールがバッグの製造に57ドルを支払い、2780ドルで販売していることが明らかになった。
  • 裁判所は、ディオールとアルマーニの工場を1年間司法管理下に置くとした。

イタリアの2つの高級ブランド大手が、数千ドルで販売しているハンドバッグの製造に支払っているのはほんのわずかな金額だったことが、下請け業者に対して行われた徹底的な捜査の結果、明らかになった。

ミラノの検察当局は、LVMH傘下のディオール(Dior)がここ数カ月で利用した第三者のサプライヤーを捜査した。検察によるとこれらの企業は労働者を搾取してバッグを製造している。支払っているのは店頭価格のほんの一部だ。

ロイターが当局による調査文書を引用して報じたとことによると、ディオールがバッグの製造に対し業者に支払ったのは57ドル(約9200円)で、それを約2780ドル(約44万9100円)で販売していたという。皮革などの原材料にかかるコストは含まれていない。

ディオールの関連部門は「請負業者の実際の労働条件や技術力をチェックするための適切な措置」を取っていなかったと検察の文書には記されているとロイターは伝えている。

3月から4月にかけて行われた捜査で当局は、労働者らが施設内に寝泊まりして、24時間体制でバッグを製造している証拠を掴んだとロイターは報じている。電力消費データも入手し、夜間や休日も稼働していることが分かったという。

下請け業者は中国企業だと検察は述べた。検察によると労働者の多くは中国から来ており、うち2人は不法滞在、7人が必要書類のないまま、労働を行っていたという。

調査によると、接着やブラッシングの機械からは安全装置が外され、より速く動かすことができるようにしていたという。

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