キャリーを象徴するドラマティックなシースルードレス
サラ・ジェシカ・パーカー演じるキャリーを象徴するスタイルの一つと言えば、ドラマティックなミディ丈のドレス。そこへ彼女のお気に入りのハイヒールを合わせるコーディネートは、SATCファンたちのファッション熱をさらにヒートアップさせた。新シリーズではトレンドであるシースルーのデザインを用いたシモーン ロシャ（SIMONE ROCHA）のドレスを身に纏った。立体的なバラモチーフに合わせて、ブラもグリーンカラーに統一し、ロマンティックな雰囲気をより加速させる。シューズはアクアズーラ（AQUAZZURA）のヌーディーなサンダル。キャリーらしいエレガントな着こなしで、ダークロマンティックな世界観を持つシモーン ロシャの一着の新たな魅力を引き出した。
シャーロットのお嬢様スタイルは健在
いつまでも夢見る少女のような心を持つシャーロット（クリスティン・デイヴィス）は、仕立てのよいシャツとスカートを組み合わせた正統派スタイルが定番。今回もスタイルはそのままに、明るいピンク×グリーンで全身を華やかに彩った。草木がモチーフのプリントシャツを取り入れることで、顔まわりにも明るい印象をもたらしてくれる。ローズピンクのスカートで思い出すのは、オリジナル版シーズン6の12話「運命の人を求めて」。不妊治療を経験したのち妊娠するも流産してしまい立ち直れずにいたシャーロットは、エリザベス・テイラーのドキュメンタリー番組に勇気をもらい、ローズピンクのドレスを堂々と着こなして歩き出す──そんなシーンが印象的だった。乙女心と強さを秘めたローズピンクは、シャーロットのキーカラーとも言える。
愛犬との散歩コーデは、涼しげなシャツワンピにブルーを差し色に
新章から登場した愛犬リチャード・バートンとのお散歩コーデは、清潔感のあるシャツワンピースにライトブルーのベルトとシューズを合わせた涼しげなサマースタイル。ふんわりとしたパフスリーブのデザインが、さりげなくフェミニンさと上品さをプラス。時計やアクセサリーも洗練された華奢な逸品を組み合わせるのがポイント。セントラルパークを優雅に歩くシャーロットの姿が想像できる。
知的なハンサムスタイルはエレガントなスカーフで完成
弁護士としてキャリアを重ねてきたミランダ（シンシア・ニクソン）は、フォーマルで知的なファッションスタイルが印象的。ブルーのシャツワンピースに、同系色のスカーフをネクタイ結びで合わせ、大人な着こなしを披露した。ベルトとバッグはラフィア素材を組み合わせることで絶妙な抜け感を演出。彼女のトレードマークである赤髪も程よく際立つ。オリジナル版では隙のない“タフな女”のスタイル（休みの日はビッグTシャツ）が多かった一方、新章では彼女の感情の変化とシンクロするかのような肩の力を抜いたスタイリングも多く見受けられた。だが「AND JUST LIKE THAT…」シーズン2の最終話では上司の代理でBBCのライブインタビューに出演し、昔のミランダが戻ってきたようなシーンで終了。新シリーズでの彼女の活躍とファッションの関係性に注目したい。
個性派デザインのデニムスカートを主役に
ドラマにはデートやクラブ、イベントへ繰り出すスタイルだけでなく、NYの街を歩きながら女友達とお互いの悩みを話し合うシーンでのデイリーファッションにも細かなアイデアが詰まっている。例えばオリジナル版でのキャリーは、毛足の長いライトブラウンのファーコート、カラフルなバンダナを用いたヘアアレンジ、バリエーション豊かなタイトトップなど、どこかにユニークなアイテムをポイントとして入れ込み個性を見出していた。新シーズンではメゾン マルジェラ（MAISON MARGIELA）のボリュームのあるデニムスカートを主役とし、シンプルなVネックトップとホワイトのシューズで大人な着こなしに。ニュートラルなカラーでまとめることで個性的なデザインが際立つ。
ブルーの“キャリードレス”に身を包んで
美しいボディラインを際立たせるアレックス ペリー（ALEX PERRY）のブルーのタイトドレスを纏った姿がキャッチされ、“キャリーらしさ”全開だとすでにSNSで話題となっている。煌めきを放つ細かなビジューデザインにメタリックのシューズとクラッチバッグで統一感のあるコーディネイトも、これまでのキャリースタイルを想起させる。
また彼女の人生の中でブルーは思い出深い。映画『セックス・アンド・ザ・シティ』でヴィヴィアン・ウエストウッド（VIVIENNE WESTWOOD）のウエディングドレスを着た際には、ヘアスタイルに青い鳥が飾られていた。さらにオリジナル版シーズン4の第2話「素顔のままで」では、キャリーはドルチェ&ガッバーナ（DOLCE&GABBANA）のブルーのジャケットを着て、モデルとしてショーのランウェイを歩いた。今回のブルーのドレスは、キャリーの人生においてどんな一着となるのだろうか。彼女たちの新たな物語とファッションを心待ちにしたい。
Text：Saki Shibata
